蜜 の あ われ あらすじ。 『蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)』(室生犀星)の感想(110レビュー)

映画「蜜のあわれ」のあらすじ・ネタバレは?原作は室生犀星の幻想小説

蜜 の あ われ あらすじ

樋口一葉『われから』の概要 樋口一葉の『われから』は『たけくらべ』に次ぐ長編小説であり、樋口一葉の完結した小説としては最後の作品になります。 「伊勢物語」に「恋詫びぬ海人の刈る藻にやどるてふ我から身をも砕きつる哉」(恋に悩み、漁師が刈り取る海藻にすみついている「われから」という虫のように、『自分自身のどうにもならない気持ちのため』身を砕いて苦しんだ) のの「われから」からこの題名が付けられたと考えられています。 「ワレカラ」は海藻などによく付着している生き物で、海藻から食塩を作成する過程において、海藻と一緒に「ワレカラ」も焼かれてしまい、その体の殻が弾けてしまうわけです。 樋口一葉の「われから」も、主人公である「お町」が身を砕くような思いをすることと、殻が割れてしまう「ワレカラ」を掛けて題名が付けられています。 女性の情念解放に作者の意思が向かっていたといわれ、一葉最後の作品にふさわしい作品となっています。 樋口一葉『われから』人物相関図 『われから』では親子2代にわたる、悲劇が描かれています。 メインになるのはお美尾と与四郎夫婦、そしてその子供「お町」です。 図をみていただければわかるように、不倫だらけですw 樋口一葉『われから』あらすじ ここでは、各章ごとに『われから』のあらすじを追っていきます。 樋口一葉『われから』第一、二章 お町は、寝室の時計が12時を打つまでどうにも眠れず、何度も寝返りを打っていた。 夫は最近は泊りが多い。 水曜会の人たちやクラブの仲間に遊び人が多いから、連中に引きずられて自堕落になる。 お町は垣根の向こう、書生部屋の戸の隙間からわずかに光がほのめいているのを見つける。 書生の千葉はまだ寝ないでいるのだ。 婦人が中に入っていくと、男は読書中のことろを驚かされ、あきれ顔をしてみせる。 寒くならないように、と、お町は千葉の背中に夫人が着ていた羽織を背中に乗せるのでした。 樋口一葉『われから』第三章 お町の父親は与四郎と言い大蔵省に安月給で勤める下級役人であったが、 とあることを契機に蕎麦屋を始め、宝の山を築き上げた。 が、人の生血を絞ったせいか、50にも満たぬ年齢で急病で他界した。 与四郎の妻は幼馴染の美尾と言い、与四郎はこの美尾のことをとても大切にしていた。 が、連れ添って五年目の春、与四郎が家へ戻ると美尾が家にいない。 聞けば「実家からのお迎えといってきれいな車が来て、留守何分頼むと言って出かけていった」とのこと。 次の日戻ってきた美尾を問いただすと「母の急病で」と美尾は言い、与四郎の機嫌は少し収まるのでした。 与四郎は当初安月給ながらも美尾のことを大切にしていました。 しかしある日「きれいな車」が来て美尾が出て行きます。 明確には語られませんが、「きれいな車」は他の金を持った男性の存在が示唆されています。 樋口一葉『われから』第四章 この世に鏡なんてものがなければ、分相応にしていられたのに。 美尾は「これほどの要望を埋もれさせておくのは惜しい」「花柳界にデビューしたら島原切っての美人で、並ぶものはいないだろう」そう世間からおだれたれるほどの美人であった。 しかし、下級役人である与四郎の妻であるため「いい女だな、でも身なりがひどい」そう通りすがりの若者に笑われることもあった。 華族の暮らしを見ると、美尾は我が身をながめてしょんぼりする。 はかない夢に心が狂ってから、お美尾はかつての自分を忘れるのである。 自分の美貌を褒められることで「この美しさがあればもっと華美な生活ができるはず」と考える美尾。 上に行けることがわかれば上に行きたくなるのが人の性ですね。 樋口一葉『われから』第五章 与四郎は心変わりもなく、いつもと同じ日々を送る。 しかし美尾は空を眺めて何も手につかない様子。 「あなたいつまで安月給でいるつもりですか、向こうの屋敷の旦那様はその昔大部屋だったけど、一念発起してあんなに出世したじゃないですか」 与四郎は我が身を罵られたようで腹が立つ。 「今のうちから身の納めどころを考えて、利口で器用な色男の若い学者にでも乗り換えるのが一番だろう」 そう嫌味を言う。 とは言え、互いに憎くはない夫婦。 相手のしぐさや態度も忘れ難く、あなたこうして、ああしてと言えば、お美尾、お美尾と目の中に入れたいほどである。 実家からの迎えといって金紋の車が来た頃から美尾は物思いが静まり夫に文句も言わず、うつうつと日々を過ごし、しょっちゅう実家に帰るようになった。 帰ってくれば襟に顎を埋めて忍びやかに吐息をつく。 そんな美尾の様子を病気だと思う与四郎は痛ましい。 ある日美尾の妊娠が発覚する。 与四郎は珍しくうれしく夢見心地だった。 とうとう安月給が夫婦喧嘩に繋がります。 そして頻繁に実家に帰るお美尾(恐らくは他の男に会っている)。 夫婦の破綻が見えますが、それに与四郎は気づいていません。 そんなある日、お美尾が妊娠します。 子供の存在は夫婦仲を取り持たせることができるのでしょうか? 樋口一葉『われから』第六章 美尾が妊娠し、美尾の母親は与四郎へこう言い放ちます。 「月給は少なく、昇給の見込みもない。 そこに赤ん坊が生まれて入用になり、人手もかかるとなれば、あんたがたはどうするつもりだ。 」 「今のうちに覚悟を決めて少しは互いにつらくても当分夫婦別れて、美尾は子供と一緒に私のところで預かって、あんたは独身になって、役所勤めのほかによそに働きに出た方が良い」 辛辣な言葉を投げかけられ、与四郎は歯ぎしりするほど腹立たしく思いますが、「母さんそんなこと言わないで」とう美尾を見て「このバカ婆あめ、どう引き裂こうが美尾はオレのもんだ」と思うのでした。 10月15日、無事に女の子が産まれる。 美尾の様子はどうかとのぞいてみると、やつれてはいたがその美しさは神々しいくらいだった。 あわただしく日々が過ぎていき、子供の名前も決まった。 「お町」。 家中で「町や、町や」と手から手へ渡った。 「死にます」と手紙を残してどこかへ消える美尾。 しかし与四郎は「悪婆」と叫びます。 つまり美尾の母親が、美尾を連れ出したことを悟り激怒したわけです。 樋口一葉『われから』第八章 与四郎はその後15年間、他人に赤鬼と呼ばれながら資産を築き上げ、生涯を死灰のように終える。 その資産を相続したのは政治家である金村恭助。 与四郎の婿だった。 しかし結婚して10年あまり、二人には子供ができなかった。 心細いお町は、あと先もなく他人の世話を焼くことがあった。 車夫の一人息子に羽織を、そして書生の千葉には綿入れ羽織を仕立てさせた。 樋口一葉『われから』第九章 夫である恭助の誕生日。 家でパーティーが開かれ、政治家である恭助の元には世間に名の通る人たちが集まる。 少し酔った二人。 座が引けて二人は寝室に入るが、お町は顔色が優れない。 「私はあなたに捨てられやしないか心配なの」 仕事で出世をし、世界を広げていく夫に取り残される寂しさを感じるお町。 「つまらんことは考えるな」そうそっけないくらい言い捨てる恭助であった。 樋口一葉『われから』第十章 女中は心浮かれる噂話が大好きだ。 そんな女中の間で、書生の千葉の哀れな初恋について噂が広まる。 田舎で村長の娘に恋をした千葉。 しかし、千葉は百姓の子。 村長の娘と百姓の子では提灯に釣り鐘。 恋は叶わずその後、その娘は神経症で亡くなってしまった。 千葉が言うところによると、その娘は今の奥様(お町)にとても似ている、ここ数日奥様の様子がすぐれないのは同じ病気ではないか、と。 そんな話がにぎやかに聞こえわたるのだった。 樋口一葉『われから』第十一章 今年も年の瀬、12月15日。 お町が指図によって、掃除がはじまる。 病気味のお町は2階の小部屋で具合が悪くなり、少し横になる。 それを知らない女中たちは例のように、噂話を始める。 「飯田町のお波のこと知ってるかい?」 「それを知らぬはここの奥さん一人」 そう語りだす。 「旦那とは何十年の仲で、坊ちゃんも十か十一にはなるだろう、都合が悪いのはここの家には一人も子宝がなくて、あっちは立派な男の子」 お町はそれを聞き、襖一枚を挟んで祈るであった。 「開けないで行っておくれ」 なんと、お町の夫である恭助が不倫していることがわかります。 そして子供までいる。 お町の心境が推し量られて苦しいですね。 樋口一葉『われから』第十二章 様々にもの思いをするうち、夫人は癪を起す(現代で言えば原因が分からない疼痛を伴う内臓疾患と言われています)癖がついた。 昼夜問わず発作が起こり、そのたびに力任せに抑えこんでその場をしのぐしかなかく、男の力が必要となる。 癪が起きると千葉が飛んできた。 その様子は他人の目には怪しく映った。 まるで、みだらな行いがなされているような噂がたち、やがてその噂は夫恭助の耳にも入る。 我が身の不徳(不倫)のことや、別れた後のお町の境遇を考え悩む恭助でしたが、ついに別居の旨を言い渡すことになる。 「私は一人になってしまう、誰も助けてくれません」 「私を捨ててごらんなさい、私にだって覚悟があります」 そう言ってお町がにらみつけるのを突き飛ばし、振り返りもせず夫はこういうのであった。 「町、もう会わんぞ」 樋口一葉『われから』の感想 『われから』からは理不尽さが滲む 理不尽という言葉が真っ先に出てくる『われから』という作品です。 主人公であるお町が赤ん坊の頃、母親は父与四郎とお町を捨てて家を出て行きます。 それが 第一の理不尽。 美尾に対する怒りから財産を築き上げた与四郎ですが、その財産のおかげでお町は政治家である恭助を夫にすることができます。 しかし、その恭助は外で妾を作り、子供まで居る始末。 さらに無実の罪(書生の千葉との不倫)を着せられて、一方的に家を追い出される。 これが 二つ目の理不尽。 現代の感覚から言えば本来家を追い出されるべきなのは外で不倫をして子供まで作った恭助です。 しかも書生の千葉とは不倫をしていたわけではなく、むしろ恭助が原因となっている癪の発作を助けようとしていたわけですからね。 恭助が原因で病気になり、その発作に苦しんでいたところに別居を言い渡される。 しかも父親が成した財産は恭助のもの。 非常に救いようのない話ですね。 『われから』では理不尽さや怒りは悲劇を生んでいる しかしながら、お町の父親である与四郎が財産を築いたきっかけは、美尾が家を出て行ったことです。 そして「他人に赤鬼と呼ばれながら資産を築き上げた」「人の生血を絞った」ことからも、与四郎は決して社会貢献や理念を持って資産を築き上げたたけではないことが伺えます。 時には他人を不幸に落としながらも、「貧乏である」ことを理由に家を出ていった美尾への反骨心や復讐の意味も込めてお金を稼いだのでしょう。 そうした「理不尽さと怒り」から資産を築き上げたものの、結果としてその資産のおかげで政治家と結婚したお町の悲劇的結末に繋がり、また与四郎自身も幸福な死に方ではなかったことが推察されます。 こうした不幸から得たお金は幸せに結びつかない、ということが物語の根底に見ることができます。 『われから』から読める女性としての悲しい宿命 この物語には二人の女性が出てきます。 「お町」とその母親の「美尾」ですね。 美尾は貧乏である夫を捨て、家を出て行きます。 酷い女であることは間違いないですね。 しかし、言い方を変えれば「家」という慣習に囚われて身動きが取れなくなった女性が「家」に対して反旗を翻したとも言えます。 一方、お町は「家」に入れば女性の不倫は許されない(一方男は許される)という理不尽な価値観に屈し、家を追い出されます。 樋口一葉は『われから』という作品を通じて、女性に生まれたが故のの悲しい習慣や悲劇を嘆いている、またはそうした男性優位社会に対して強い反感を訴えているとも読めます。 特に今の時代は、女性の社会的立場が弱いことを改善しようとする動き盛んですし、後者のような「男性主導の社会に対する反発」は現代でも通用する物語と言えるでしょう。 『われから』はあまり評価が高くない 樋口一葉最後の小説となった『われから』ですが、 「出来不出来はいかなる人にもある事ながら、一葉としては太く劣りたる作」 という批評がなされるなど、樋口一葉の代表作である『たけくらべ』などに比べると評価が高くないようです。 『われから』は親と子の2つの物語が展開しているのですが、お美尾の部分が長すぎて、「お町」の物語が薄れてしまっているからというものですね。 確かに、お美尾と与四郎の話の部分の方が長く、両親の境遇を受けてお町の物語が進むというよりは、それぞれ独立した話を1つの小説にまとめたという感が強く感じられる作品となっています。

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【室生犀星】『蜜のあわれ』のあらすじ・内容解説・感想|純文学のすゝめ

蜜 の あ われ あらすじ

香蜜沉沉烬如霜 Ashes of Love 最終話「運命の巡り会い」 潤玉 ジュンギョク は禁術から解放してくれた旭鳳 キョクホウ に錦覓 ジンミー の形見を譲った。 「ジンミーが遺した物だ、お前のためだろう」 窮奇 キュウキ と血の誓いを立ててしまった身、もはや残された時間は少ない。 潤玉はどちらにしてもこの天界も旭鳳のものになると言った。 しかし旭鳳の赤霄剣 セキショウケン と琉璃浄火 ルリジョウカ で窮奇 キュウキ は完全に滅したという。 「お前は死なぬ…」 旭鳳はそう教えたが、その時、再び寒気の発作に襲われてしまう。 実は錦覓のいない世界を生きる意味などないと、旭鳳は蓬羽 ホウウ を捨てていた。 「お前は長い時を孤独に生き、罪を贖 アガ え…」 旭鳳は羅耶 ラヤ 山へ戻った。 しかしあまりに辛くて錦覓が残した箱の中を見ることができない。 結局、箱は開けないまま、錦覓の魂魄を探して3年の月日が流れた。 そんなある日、錦覓が生前、自ら仕込んだ桂花 ケイカ 酒の最後のひと瓶を土産に潤玉がやって来る。 錦覓の消息は見つかっていなかったが、不思議なことにあの日を最後に旭鳳は金丹の副作用が出ていないという。 「旭鳳、私は最近、やっと分かってきたのだ 天帝の座を譲り受け、天界を得た以上、責務を守らねばならぬ 天帝は情を忘れ、天地と化して衆生に見えるもの、喜びや悲しみとは決別せねばならない 私たちの生は長く、そしてあまりにも孤独だ、誰かと共に歩めればよいが、 年老いるまで寄り添えるかは分からず、同じ場所へ共に戻れるとも限らぬ ジンミーの帰る場所はお前だ、最初から最後までジンミーの心にはお前だけ… 私は部外者に過ぎなかった」 「今頃、なぜそれを?ジンミーは死んだ、二度と戻らない…」 しかし潤玉は本当に結ばれる定めならいつか必ず見つかると励まし、そこで席を立った。 すると旭鳳が去って行く潤玉の背中にふと声を掛ける。 「哥 兄さん …」 旭鳳が潤玉を兄と呼んだのはいつ以来だろうか。 「…達者でな」 こうして潤玉と旭鳳のわだかまりは長い時間の経過と共に自然ととけて行った。 兄を見送った旭鳳はようやく錦覓が残した化粧箱を開けた。 すると中から錦覓が描いた2人の思い出の絵が出てくる。 人間界での幸せな毎日、旭鳳を殺めてしまったあの日、誤解が解けない辛い日々…。 その時、突然、錦覓の声が聞こえる。 「ふぉんふぅぁん…」 「ジンミー…ジンミー!どこだ?」 その頃、花界にも異変が起こった。 花たちが精気を取り戻し、再び色艶やかに咲き誇る…。 「ジンミーの魂魄よ!旭鳳が見つけたようね」 芳主たちは錦覓の復活を感じて歓喜に沸いたが、なぜか再び花々の色が褪せ始めてしまう。 長芳主・牡丹 ボタン はこのままでは錦覓の魂魄が散ってしまうと焦り、時間花廊 ジカンカロウ を開いで錦覓を救うと決めた。 一方、錦覓の声を聞いた旭鳳は部屋の中を見回したが、錦覓は見つからなかった。 すると落胆した旭鳳の目から一粒の涙がこぼれる。 その時、突然、錦覓が現れた。 「ジンミー、本当に君なのか?」 「ええ私よ、ふぉんふぅぁん、今、帰ったわ」 2人は抱き合い、涙の再会を果たした。 錦覓はずっと旭鳳のそばにいた。 斗姆元君 トボゲンクン が言った通り、錦覓は旭鳳と同じものを見て、同じ音を聞き、ひとつになっていたという。 2人は二度と離れないと誓い、ずっと一緒だと約束したが、その時、再び錦覓の身体が消え始めた。 「ふぉんふぅぁん、実は私、あなたの涙だったの…消え去る定めからは逃れられない…」 錦覓は泣きじゃくる旭鳳の目にそっと口づけし、ついに消散してしまう。 そして同じ頃、花界では錦覓の魂魄を守ろうと奮闘していた芳主たちが時間花廊からの反筮を受け、はじき飛ばされていた。 霜花が羅耶山の空を舞い上がって行った。 1弁欠けた霜花のままで…。 旭鳳は花界を訪ね、牡丹に錦覓の魂魄が自分の目に宿っていたと教えた。 牡丹の話では時間花廊を開いた時は錦覓の魂魄が力強かったため、まさか滅びる前の輝きだとは思いもしなかったという。 すると旭鳳は錦覓が目にいた間、金丹の副作用がなかったと思い出した。 錦覓は体内の寒気を吸収して消し去り、そして少しずつ涙となって、真の姿を現したのだろう。 死してもなお旭鳳を心配し、尽くしていた錦覓…。 旭鳳は天意に従い、いつか錦覓と再び巡り会えるのを待つと決めた。 「君が世界の果てに生まれ、どれほど探すことになっても、必ず見つけ出してみせる…」 そして500年後の人間界…。 棠樾居 トウエツキョ には宰相府へ輿入れする娘の婚礼行列を見ようと野次馬が集まった。 何でもこの娘は幼い頃から妖魔の類に夢中で、魔物になるため修練に励んでいた変わり者だという。 実は娘の輿を見送る父親・錦 キン 老爺は洛霖 ラクリン と瓜二つだった。 婚礼の長い行列が街を出て羅耶山に入ると、空に鳳凰が現れた。 初めは物珍しそうに見ていた一行だったが、鳳凰がいきなり火を噴いたため、花嫁の輿を置いて一斉に逃げ出してしまう。 すると旭鳳は帳を上げ、花嫁姿の錦覓を見つけた。 実は斗姆元君は旭鳳に心が滅びなければ縁もまた保たれると説いていた。 錦覓には香の庇護があり、また天魔大戦で身を捧げて六界を苦しみから救ったという無上の功徳により、すでに劫数が解けたという。 「そなたと恋に落ちた地で待つ…」 旭鳳は2人が恋に落ちた羅耶山で錦覓と再会できる日を待っていた。 …これが僕の両親の物語、この事件の翌年に僕は生まれた …それから7年、僕ら一家3人は人間界で幸せに過ごしている 白鷺 ハクロ が川で釣りをしていると、鎏英の娘・卿天 ケイテン が現れた。 亡き父の仮面をつけて…。 すると卿天は崑崙 コンロン の弟子を好きになり、これからさらいに行くのだという。 「私の510歳の誕生祝いよ!母上には内緒ね?もし私が仙人に捕まったら、お父上を呼んで」 「分かってるって」 …鎏英おばさんは六界一高貴で優雅な女性だ 今日で鎏英が魔尊となり500年となった。 新時代を迎えた魔界は誰もが豊かな暮らしを得たが、未だ流血沙汰や地盤争いがやむことはない。 そこで鎏英は改めて自由とは法を重んじ節度を守ることだと戒め、内乱で結束を乱すことがなくなれば魔界は真の強さを得ると鼓舞した。 すると花界から特使として連翹 レンキョウ が到着、祝賀の花を贈る。 …穂禾 スイカ おばさんの名前が出ると、父さんも母さんも口をつぐむ …でも皆の話にはしょっちゅう登場するんだ …感情豊かな人だったらしい 追放された穂禾は気が触れ、日没の地にいた。 やがてある洞窟に迷い込んだが、そこはかつて穂禾が雀霊 ジャクレイ を放り込んだ場所…。 結局、穂禾は雀霊と同じ末路を辿ることになった。 …一番、神秘的なのは潤玉伯父さんだ …天帝と呼ばれていて伝説がたくさんある …白ひげの老人だと言う人もいれば、緑の毛に覆われた鱗の妖怪と言う人も …真珠の涙を流す美男の龍魚なんて話まである …世界で唯一、僕を名前で呼ぶ人だ 「棠樾、何を釣っているんだ?」 「お嫁さん!母さんが言ってた 川にはお嫁さんがたくさんいて、待っていれば運命の相手が釣れるんだって」 「小鷺 ショウロ !」 その声は錦覓だった。 潤玉は錦覓に今、幸せかと尋ねた。 錦覓はただ黙って息子の顔を見ると、潤玉はそれが答えだと分かる。 「母の願い通り花として錦のごとく咲き、心安らかに生きているわ」 「何よりだな」 すると潤玉は天界へ戻って行った。 錦覓は息子にそろそろ帰ろうと言った。 小鷺はまだ釣れていないと訴えたが、錦覓は穏やかでいれば魚は自ら来るという。 「とっておきの秘密を教えてあげる、父さんは大騒ぎして私に釣られに来たのよ?」 そこへ旭鳳がやって来た。 潤玉は至高の座に就き全てを手に入れたが、心は孤独なままだった。 結局、求めても得られぬ苦しみは権力では癒せない。 しかし鄺露 コウロ と魘獣 エンジュウ だけはいつも潤玉のそばにいた。 そしてこれからもこの長い上神の道を共に歩んで行く…。 錦覓の瞳は未だ色を移さず、世界は白黒のままだった。 …でもあなたたちがいる …あなたの瞳や小鷺の笑顔は私にとって世界一、鮮やかな花園 …どんな絶景にも勝るわ 完 ^ꇴ^ ノ 終わった~! 日本語字幕では卿天が小鷺を「白鷺」と呼んでいるセリフがカットされていました つまり棠樾の真の姿は白鷺です…なぜだ?w で、棠樾という名前なんですが、棠樾居から来ているのは分かるんですが、確か原作本には理由があったような…どこかで見た気がするのですが忘れてしまいました(笑.

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【1分で読める】香密沈沈燼如霜 全63話 ネタバレ

蜜 の あ われ あらすじ

4月1日から公開される映画「蜜のあわれ」のあらすじと原作者である室生犀星の代表作についてまとめました。 二階堂ふみちゃんは金魚役という事で話題を呼んでいるこの映画、他にも幽霊とか芥川龍之介とか登場するしコメディ?かと思いきや、金沢三文豪、室生犀星が原作の幻想小説。 しかしなにやら様子がおかしい。 赤子は普通の女とは何かが違う。 普通の人間には彼女の正体がわからず、野良猫には正体がバレてしまう。 そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾ひれをひらひらさせる真っ赤な金魚だったのです・・・。 そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へと蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。 老作家の友人・芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りの男(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて・・・。 金魚の寿命は10年から15年と言われていますが、今回二階堂ふみさんが演じる金魚は3年子(3歳)なので、人間の寿命を80年と想定すると18歳くらいの設定ですかね?予告動画冒頭から赤いシーツが敷き詰められていて、大杉蓮さんと二階堂ふみさんが上半身まっぱ(に見える)。 二階堂ふみさんとお色気は昔からマッチしないと分かってましたよ、はい。 「ヒトと金魚と幽霊が織りなす艶やかで濃密な恋の物語」というキャッチコピーはあるものの、艶やかの部分はちょっと物足りないかも、と感じてます。 まだ見てないけどねw もちろん二階堂ふみさん、真木よう子さんと大杉蓮さんの恋物語パートは面白そうです。 恋人が幽霊だったなんて設定の作品は意外に多い気がしますが、金魚はかなりレアですよね。 原作者は金沢三文豪と呼ばれる室生犀星。 金魚視点で物事を考えられる人はなかなかいねぇ!という事で彼のことが気になったのでちょっと調べてみました。 『蜜のあわれ』原作者、室生犀星とは? 室生犀星(本名:室生照道) 1889年8月1日ー1962年3月26日 没 石川県生まれ 小説家、詩人、俳人、童話作家 何とも仰々しい「犀星」という名前、本名では無くペンネームでした。 加賀藩の足軽頭だった父親と、家の家政婦さんの間に生まれた私生児だったようです。 生まれて間もなく寺院に引き取られ、7歳にはその寺の住職室生真乗の養子に。 んで室生照道を名乗るようになりました。 室生犀星を初めて名乗ったのは17歳の時。 新聞に詩を投稿し初めて掲載される。 その時からペンネームが「犀星」で、この日からビジネスでは室生犀星を名乗るように。 室生犀星の代表作をまとめてみた 作者活動50年の室生犀星は取り組んだジャンルも幅広く、詩集、小説、評論にとどまらず校歌なども手掛けていました。 偏見はなはだしいかも知れませんが、やっぱり作家の本分は小説だと思うので小説に絞って代表作を上げてみます。 とりあえずこれ読んどけば室生犀星は大体わかるんじゃないかなー。 (出版年順、数字は出版年を示す) 性に眼覚める頃 新潮社(1920) 幼年時代 金星堂(1922) あにいもうと 角川文庫(1953) 杏つ子 新潮社(1957) かげろうの日記遺文 講談社(1959) 蜜のあはれ 新潮社 (1959) もっと詳しく室生犀星を知りたいなら軽井沢 軽井沢にあった彼の家は現在、室生犀星記念館として一般公開されています。 映画公開に合わせて「蜜のあわれ」企画展もやってたり。 4月の軽井沢はやや肌寒い気候ですので関東からおいでの際は3月に着てる服装位がちょうどいいと思いますよ。 所在地 石川県金沢市千日町3番22号 開館 2002年(平成14年)8月1日 運営 公益財団法人金沢文化振興財団 TEL:076-245-1108 9:30-17:00開館 入場料金:300円(一般) takataka4481.

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